物語文解いてみよう

高松市国語塾EQZ塾長です。

 

以前には、高校入試での問題として説明文を掲載しました。香川県の公立高校入試問題でした。解いてみていただけましたか?

 

さて、今回は物語文を掲載します。

ちょっと考えてみてください。お子さんにも考えてもらってください。中学生はもちろん、小学5年生以上であれば対応できるかと思います。

 

2問ありますよ。

 

 

以下の文を読んで後の問いに答えなさい。

 

※ 慎一、鳴海、春也はいずれも小学5年生のクラスメイト

雨が降りつづき、しばらく山へは行けなかった。休み時間の教室で、雨の話題がクラスメイトたちのあいだでくり返し出てくるようになった頃、走り梅雨という言葉を担任の吉川が角張った字で黒板に書き付けた。まだ梅雨前なのにこうして雨がつづくことを、そう呼ぶらしい。授業中、テレビの砂嵐のように途切れない雨音を聞きながら、慎一は横目で鳴海と春也を見た。それぞれ離れた席に座った二人は、何か小さなメモを交換し、声をおさえて笑い合っていた。
久しぶりに晴れたのは、ある火曜日のことだった。
一時間目が終わると、春也と鳴海がいっしょに慎一の机までやってきた。今日は山に登れる。くぼみのヤドカリはどうなっているだろう。ひょっとすると死んでいるのではないか。山道はぬかるんでいて、くつがだいぶ汚れるかもしれない。二人が掛け合いのようにしてそんなことを言うあいだ、慎一は、もうすっかり顔に張りついてしまったつくり笑いを浮かべていた。頷くときも、言葉を返すときも、見えない手で頬の筋肉をつかまれているように、顔から笑いを消すことができなかった。

道尾秀介「月と蟹」より

問1 「慎一は横目で鳴海と春也を見た」とはどのような様子を表しているか。次のア~オから一つ選びなさい。



黒板に書かれた走り梅雨の文字を見つめながら山のヤドカリを心配していたので、二人の会話をうっとうしいと感じていた。


この雨の中、山のヤドカリがどうしているか心配だが、二人が楽しそうに別の話をしているようなので、とほうにくれていた。


雨が降り続ける中、教室で楽しそうに話している二人の様子が気になってしかたがないが、素直に話しかけられないでいる。


親しげな二人の会話は気になるが、自分とはかかわりのない話題なので、様子を見て話に加わるタイミングをはかっている。


自分は雨のために外で遊べなくていらいらしているのに、楽しそうに笑って話している二人の様子が面白くなくてしかたない。

 

 

※迷ったら物語文をもう一度読んでも良いですよ。

 

 

 

 

「国語って日本語だから別に勉強しなくても良い」という意見がありますが、僕は大反対です。

正しく文意を読み取るのかがいかに難しいか」生徒の指導を通して実感していますし、僕自身も読み間違うことはあります。

 

「文意」と「文字」を混同していませんか?

 

文字は読めますよ。難しい読みの漢字があったりしますが、年齢相応の文章であれば「文字」は読めます。

 

しかし、文意は理解できていない人が多いです。

 

「これは高校入試の問題だから特別に難しいじゃないの?」と思われるかもしれません。

 

 

あ、すみません、これ小学生向けの問題です。

 

 

 

冒頭の物語文を元に、僕が追加で問題を出してみますよ。

小学5年生でも取り組めるように作ってありますが、全員、もう一度、物語文を読んでから答えることをお勧めします。

 

問2 物語文の内容にあっていれば〇、内容にあっていなければ×、で答えてください。

————-

 授業中にメモを交換している春也と鳴海には、先生は注意をした方が良い。

 もう梅雨なので、雨が砂嵐のように降っている。

 雨が長く続いたせいで、ヤドカリは死んでいるかもしれない。

 山道がぬかるんでいて、くつが汚れるので山にはあまり行きたくない。

 慎一はいつも笑顔でいるので、クラスの中に友達が多い。

——-

 

できましたか?

親御さんもできましたか?

なんせ、小学生向けの問題ですからね。できて当然でしょう・・・と軽くプレッシャー。

 

 

 

 

僕がやっているのは、まず「文意を正しく読み取ること」です。

そして、問題に対しては「設問を正しく理解し、それに答えること」です。

言ってみればたったそれだけのことです。

 

しかしながら、そこに到達するためには、それなりの時間と労力をかけなければならないのです。

 

一気に語彙力は増えませんし、一気に読解力はあがりませんからね。

 

日々、地道に繰り返すしかないのです。

 

そういった考えに賛成の方は、まず家でどんなことをすれば良いか? 親はどんなことを意識していれば良いか? そのヒントをお伝えしますので、保護者説明会にお越しください。

保護者説明会「国語の危機を救う具体策」12月開催

 

 

誰もが正解していると思いますが、一応正解を書いておきます。

 

問1 正解はウ

問2 全て×

です。

 

念のため、少しだけ説明しておきますと、

・場面が変われば色々と変わる

・本文から読み取れないものは〇にはできない、イコール×

・自分の意見で答えない。キミの意見は聞いていない。

ということです。

 

〇×1問だけでも間違ったのであれば、それは「読み間違った」のでも「よく読んでいなかった」のでもありませんよ。

 

読めていないのです。

文意を理解できないのです。

 

それを「読解力がない」というのです。

 

 

怖いでしょう?