高松国語塾EQZ塾長です。
すっかり遅くなりましたが、2021年3月実施の香川県公立高校の入試平均点、及び、発表されている概評に関して、当方の所見を申し上げます。
尚、入試問題の国語に関する所見はこちらに記載しております。
※ 以下の「香川県公立高校入試平均点」「概評」は、香川県教育委員会のサイトからの引用です。
平均点
まず平均点です。
香川県教育委員会の発表サイトはこちらです。4月発表の概評からご覧になれます。
平均点の上下動は、年度によって難易度も異なりますので、別にどうってことはありません。
5科目の平均点が138点ぐらいになるように作成しているらしいのです。結果的に141.5点だったので、上手く作っているなと感じます。
国語の平均点が令和2年度入試より下がっていますね。生徒の学力が下がったわけではないと思います。これは、恐らく、説明(評論)文で、比較的抽象度の高い問題文だったからだと思っています。
語彙力のない子の特徴として、特に抽象的な言葉が分からないという点があります。具体性のあることならまだいイメージができても、抽象的な言葉だとイメージが全くできないというパターンですね。年齢相応の世界の広がりがない子は、こうなります。
まあ、だから必要なのは教養なんですけどね。
概評 国語
さて、平均点自体は、「あ、そうなのね?」で終わってしまうのですが、実は、概評の方に興味深いことが書かれています。国語に限らず他の科目も含めて掲載します。
尚、良かった点も書かれているのですが、ここでは悪かった点だけを掲載しています。
まず国語です。
◆小説文……登場人物の心情を本文に即して的確にとらえ説明する問題は、正答率が低かった。
◆評論文……文章を正確に読み取り、指示された内容を的確にまとめる問題は、正答率が低かった。
◆古文……筆者の表現の意図を選択肢から選ぶ問題は、正答率が低かった。
概評 他の科目
◆数学……関数のグラフを利用して考察する問題は、期待した正答率を下回った。
◆数学……事象を数理的に考察し処理する力、筋道を立てて考え論理的に表現する力をみる問題や難易度が高い証明問題は、正答率が低かった。
◆社会……資料を活用して考察する問題や論述する問題は、期待した正答率を下回った。
◆理科……論述問題では、説明が不十分で正確に書けていない解答が見られた。
となっています。
何ができていないのか?
結局、この概評では何と言っているかお分かりでしょうか?
概評をさらに僕がまとめると、
◆ 書いてあることを的確に読み取れていない
◆ 考える問題はできていない
◆ 記述はできていない
となります。この三点に集約できると思います。いかがでしょう? ピントがずれていると思うのであれば、僕の読解力が足りないのかもしれません。
そして、もっともっと簡単にギュッとまとめると
◆ 読めない、書けない、考えられない
になります。
概評の中に「難易度の高い問題は正解率が低い」という趣旨のことが書いてありますが、それはいわば当たり前のことであって、大して気にすることもないのですが、「読めていない、書けていない、考えられていない」という部分にこそ注目するべきだと思います。
全ての出発点
何を言っているのか分からない、と思える子はまだマシだと思います。自覚があるからですね。
怖いのは、読めているつもりの子です。読めているつもりなんだけど、実は読めていないことが多く、それは、「文字が読めている」から、「文意も分かっていると勘違いしている」のです。
つまり、「読めていないことに気付いていない」のです。きっと、気付く機会もなかったのでしょう。
文意が分からないから考えられません。文意が分からないから書けません。当然です。文意が分からないのに書けることなんかありませんからね。
そう考えると、全ての出発点は「読めること」ではないでしょうか?