高松国語塾EQZ塾長です。
子どもって天才です。つい最近まで赤ちゃんでバブバブ言っていたのが、少しの練習で素晴らしい文章を書くようにまでなるのです。
ほんの10歳で既に大人を凌駕している子もいます。
大人を凌駕する文章
以下、10歳の子がある書籍を読んで書いた文章です。もちろん、当塾の教養読書の会に通っている子です。
海や川で泳いでいる魚のことを私たちは「さかな」とよんだり、「うお」とよんだりします。
今、この二つの言葉は同じように使われているけれど、昔はそうではありませんでした。
「さかな」という言葉は、もとは「酒菜」と書いたといわれています。この漢字から分かるように、この言葉はもともと、「酒」を飲みなから食べる「菜(おかずのこと)」という意味で使われていました。
つまり、海などで泳いで生き物は「うお」とよび、食べるために料理されたおかずを「さかな」とよんでいたのです。日本では昔から漁がよくとれたために、魚をおかずにすることが多かったようです。
やがて「さかな」という言葉は、料理された魚という意味で使われるようになりました。
また、「さかな」などの食材を切るときに下にしく板のことを「まな板」といいいます。
これも実は魚に関係ある言葉です。昔の人は魚と野さいのことを、両方とも「菜」とよんでいました。
それでは使い分ける時にふべんなので、魚を表す「菜」に、「真」を上に付けて「真菜」とよぶことかあったのです。
「まな板は「まな」を切るためにしく「板」、つまり魚を料理する時に使う板ということからできた言葉です。
自分の身の回りにたくさん意味かつまった物があってびっくりしました。
いや、あのね、びっくりするのはこちらですよ。
10歳でこんな文章が書けて良いものでしょうか?
受動的表現、接続詞、文章の構成、「うお」と「さかな」の区別ができるような表記の配慮等々、もう素晴らしいとしか言いようがありません。
そして、この文章は当然のことながら、読解がちゃんとできているという前提があります。
はっきり言って、多くの中学生より上です。いや、何割かの大人よりも上だと思います。意味不明の文を書く大人、多いですもんね。
小学中学年の親御さんなら、この文章のうまさが分かっていただけることと思います。高学年の親御さんにも分かるかもしれません。「うちの子、とてもこんな文書けない」と思われるかもしれません。
逆の驚き
これとは逆に驚いていただきましょうか。
以下は、同じ題材を元にして、僕が書いた文です。
魚と魚は、昔は違っていて、魚は海で泳いでいて、魚は食べていました。
日本は海が多いので魚もたくさん食べたりしていました。
まな板は、魚をのせて料理するのでまな板と言いました。
すごいなーと思いました。
変な文、しょーもない文です。
でも、実のところ、この程度しか書けない中学生も多いんですよね。
中学生の親御さん、お子さんに書籍を読んでもらって、そこで学んだこと思ったことを書いてもらってください。多くの場合、愕然としますよ。その時点で、上記の黄色い枠内の文章のすごさが分かると思います。
教養読書の狙い
小学生対象には、当塾のオリジナルプログラムである教養読書の会を開講しています。
その狙いの出発点は
・世の中をもっと知ってほしい
・正しい日本語を読むこと、書くことをしてほしい
・言葉の数を増やしていってほしい
という願いでした。
毎週毎週、地道にそういった取り組みを実践するうちに、このような素晴らしい文章が書ける子が出てくるわけですね。まさに積み重ねの偉大さが発揮できているのではないかと思います。
でもね、他にも何人もいるんですよ。良い文章、上手い文章を書く子は。また改めてご紹介したいと思います。
文章を書くだけでなく、色分けして書いたり、イラストを描いたりする子もいます。
子どもたちって読書が好きなのは分かっていましたが、そういった子どもたちの様子を見ていると、書くこと、表現することも好きなんだなと思います。
その機会を子どもから奪ってはいませんか?
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