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親にとっての最重要課題

高松国語塾EQZ塾長です。

今回は、直接勉強に関わる話ではありませんが、親御さんにはぜひお考えいただきたいことです。

 

1995年にWindows95が発売されました。同じ頃にインターネットも整備され始め、そのあたりからインターネットが一般的になってきます。そして、2010年頃からスマートフォンが登場し、インターネットの利用頻度が劇的に増加し、価値観の転換も起こりました。

インターネットの登場によって、情報の量、速度、品質(良くも悪くも)、仕事の進め方、コミュニケーションの方法、余暇の過ごし方等々生活全般に渡って、1995年前と後では、全く別の世界と言っても良いぐらいです。

日本は震災の多い国で、阪神淡路大震災や東日本大震災等をはじめとする大きな自然災害がありました。近年では、台風でもないのに豪雨被害が出ることも増えてきています。

これらの出来事を通して、「怖いね」というだけにとどまらず、防災を念頭に置いた準備をしたり、家族での話し合いを持ったりして、自然災害に対する価値観は大きく変わりました。

2020年からのコロナ渦を通して、ウイルスなどに対する備えの意識は相当高まりましたし、二次的な作用として、働き方の改革等も当たり前のように語られるようになりました。生活全般において「それ」は本当に必要なのか。「それ」は本当に正しいのか、と考えるきっかけになることも増えたように感じます。

世の中、なんだかんだと起こるのです。時代はじわじわと動くのです。ある出来事を体験する前には考えてもみなかったことが、ある出来事を過ぎた後には、もう当然になっていることはよくあることです。

つまり価値観の転換です。

そして、その価値観の転換は、何か大きな出来事があるたびにジワジワと起こります。

 

歴史を学ぶと、例えば明治維新はどう推移したのか知ることができます。後の世界から眺めると、明治維新中にはいろいろなことが一気に起こったように見えますが、その渦中にいると、その「激変」ぶりはどう感じていたのでしょう? 

僕が思うに、あらゆることが少しずつ変わっていって、時々大事件があって、気が付くと、もう数十年前とはすっかり様相が変わっていた、という感じではないかと。

 

今、この現代においてもそうだと思うのです。

日々の生活に激的な変化はありませんが、時々大きな出来事が起こって、インターネット上を通して様々な意見が展開されたり議論もなされたり。そして、新たな価値観が徐々に支配し始める。振り返ってみてそう感じませんか?

 

そして、何より、人々の意識面が激変しています。

「当たり前だと思っていたこと」が、今は「とんでもないこと」になってしまい、「考えつきもしなかったこと」が、今は「当たり前のこと」になっていることってたくさんあるじゃないですか。

「~ハラ(ハラスメント)」なんかが代表的ですよね。「家長制度」「長時間労働」「終身雇用」「土地神話」等の消滅化、「性による区分」も薄くなりつつあり、「健康に対する意識」なんかは相当高まってきたと思います。

 

これらも「当たり前だったこと」が「そうでもないこと」になったり、優先順位が低下したりの現象がおこってきています。

つまり、価値観の転換です。

 

 

ここまで延々と、価値観の転換が起こってきていますよ、というお話を書いてきました。ご賛同いただけるでしょうか?

 

であれば、お子さんに対する教育も価値観の転換が必要かもしれませんよね。

 

旧来の価値観で判断していることはありませんか? 

確固たる根拠がないまま、何となく「そうだろうな」と思っていることはありませんか?

 

親御さんの価値観が正しいとは限りません。今までの価値観は今までの世の中に縛られているはずです。ですので、「今までは」正解だったのかもしれませんが、今後はそうとは限りません。

いや、親御さんの価値観はそのまま持っておいてもまだ良いのです。それをお子さんに押し付けていませんか?ということです。

 

お子さんは、親御さんとは全く異なる価値観の世の中を生きていくことになります。そこに、旧来型の価値観で判断することは、もはや悪でしかないと思います。

親御さんの価値観を押し付けるどころか、下手をするとおじいちゃんおばあちゃんの価値観を押し付けていることすらあります。それは、親御さんの価値観が、おじいちゃんおばあちゃんの価値観によって形成されているからです。

昭和の価値観で、令和の価値観は語れないのです。

令和の時代に、昭和の価値観は持ち込むべきではないのです。

あらゆる前提が違うのです。

 

 

とは言え、親としてお子さんの教育に関して、将来に関して無関心でいられるわけはありません。

となると、取るべき方法は二つです。

 

・今までの価値観を一旦リセットし、価値観のアップデートを行う

或いは、

・すべてを子どもの判断に委ねる

です。

 

お子さんがもう高校生以上ぐらいであれば、判断を委ねて良いと思います。もちろん、それができるだけの能力をつけていることが前提ですが。

中学生以下だと、判断を全て委ねるには幼いですので、親御さんの価値観で判断する必要があると思いますが、その際に、前述した通り旧来型の価値観では判断しない方が良いです。もう時代に即していないのですから。

 

となると、親御さんの価値観をリセットしアップデートするしかないと思うのです。

 

令和より先の時代を生きる子どもに、古い価値観を押し付けてはだめ。

とても難しい問題ですが、とても重要な問題です。

いや、保護者としては最重要課題だといっても良いことだと思います。