高松市国語塾EQZ塾長です。
テーマにしたかった「差異」を元にタイトルを付けてみました。
中学生対象に、哲学に関する書籍とか生物学に関する書籍を授業中に読んでもらっています。
当然、語句調べ、要約等をしてもらいます。
同じ個所を読んだ中学3年生の生徒が二人いるとします。
レベル100の子
◆意識レベル100✕学力レベル100の子
1文1文丁寧に読んで、自己申告チェックを入れるわけですが、「意味が分からない」と自己申告チェックを入れた語句がやたらと多い。
尋ねてみると
「何となく意味は分かるんだけど、言語化できないからチェックを入れた」
だそうです。
中学3年生で既に「言語化できない」という言い方をします。
これだけで大したものですが、自らを戒める力、自分に甘えを許さない姿勢が見て取れます。
学年順位ほぼ1位をキープしているわけですが、1位だからこその姿勢、というよりは、この姿勢だからこその1位と考えたほうが良さそうです。
そこらへんのしょうもない大人よりずっと立派でしょう?
レベル10の子
同じ文章の同じ個所を
意識レベル10✕学力レベル70の子
に読んでもらいます。
すると、「意味が分からない」と自己申告してくる語がやたらと少ない。
尋ねてみると「何となく意味は分かるから調べなくても良いかなと」
試しに、意味が難しそうな言葉を指してその意味を尋ねてみると・・・
案の定、答えられない言葉が続々と出てくる。
そもそも、意味が分からない言葉をすっ飛ばしているし、文意を理解していない。
差異
レベル100の子の方が、学力も高いのに分からない言葉をたくさんチェックし、尚且つ、曖昧な言葉もちゃんと調べていく。例文もきっちり作ってくる。
結果的に調べた言葉が20個。
言葉の意味も文意もちゃんと自分が納得するまでやる。
レベル10の子は、学力自体はそんなに悪いわけではないけど、読まない、調べない、意味を理解しない。それで平気。
要は、自分に甘いし、取り組む姿勢が甘い。
結果的に調べた言葉が3個。
面倒なことはやらない。できるだけ手を抜きたい。
たった数ページ進めるだけでこれだけの差異が出てきます。
この姿勢は、当然ながら他のテーマ他の科目まで波及します。
そう考えると、恐ろしい差異でしょう?
結局、これが長年続き、積み重ねの差になるわけですね。
勉強内容を教えることはできますが、こういった「意識」は教えるのが難しいですね。
受け身の人生
学校の授業は、最近多少変わりつつありますが、それでも基本的に「受け身」です。
それにつけ加えて、塾でも「受け身」の授業を受けているとします。
更に、最悪なことに、親が手出し口出しして、準備してやったり計画を立てたりして、「受け身」の姿勢を促進するとします。
こうやって、勉強に対して受け身しか存在しない子ができます。
自分で考える必要がありません。
周りがお膳立てしてくれます。
勉強ってそういうものだと認識してしまいます。
そして、自分で考えたり、自分を戒めたりすることがないまま成長して、自分で考えて取り組むことができない子になります。
要は、自律できない子になるわけですね。
お子さんをちゃんと考える子にするために必要なヒントがあると思います。
次回は、7月17日(月・祝日)13:30~15:30にて開催します。