高松市国語塾EQZ塾長です。
勉強はコツコツとやらなければならない、という主張はあちらこちらで見かけます。皆さんもそう思われているかもしれません。私もそう思っています。
では、実際、コツコツやるってどういうこと? というお話を具体的にお伝えしたいと思います。丁寧に読んでいただければ幸いです。
1日5個
今、実際に当塾でやっていることをお話します。
分かりやすいところで、高校生の英単語のお話です。当然、大学受験を前提にした勉強をしています。
大学受験では長文を読めなくてはなりません。その長文を読むためには単語を知らなければなりません。しかし、単語を覚えようと思っても一気に覚えることはできません。10個20個覚えれば良いというわけではありませんので。
今、塾生の高校生諸君は英単語帳を持っています。だいたい2000語ほど収録されています。大学受験に必要な英単語数は、それぐらいある、最低2000語積み重ねる必要があるということですね。
2000語ともなればすぐに覚えられるレベルの数ではありません。となると、長期戦になります。高3の夏ぐらいまでに覚えきれていると楽になるはずなんですね。ですので、高1の入学から高3の夏ころまで大体30か月ぐらい。ですので、1か月あたり66個ぐらい覚えれば間に合います。1週間だと17個ぐらいです。少し多めに見積もって、1週間で20個覚えていけば、高2の終わり頃には2000語に到達します。これなら理想的です。
当塾では目安として1週間に30個を課しています。これだと、17か月、つまり、高2の夏頃には2000語に到達するのです。非常に素晴らしいペースです。
1週間に30個ということは、1日に5個で十分です。たったの5個で良いのです。どうにかやっていけるでしょう。
もちろん2000語は一つの目安ですから、覚えようと思えばもっと覚えて良いのです。2000語到達して気を緩めずにそのペースを高2の間、覚え続けると、高2の終わりには3000語近くまで到達します。これは凄いです。驚異的です。
英単語の数だけだったら東大もいけるかもしれません…笑
1日5語の威力というのは侮れませんよね。すさまじい力を発揮するのです。
地道さ
中学3年生を卒業した塾生諸君は、春休み期間から英単語の暗記を始めました。その後、速い子はもう700語近くまで覚えてきました。
高1の夏前にもう3分の1に到達しようとしているのです。素晴らしいペースじゃないですか。
原則、1週間に30語としています。前述した通り1日5語覚えれば十分に間に合います。1日5語の単語暗記、できますか? できませんか? どうでしょう?
毎日1日30語はきついです。嫌になります。でも、1日5語ならできるのです。登下校中の電車の中、学校の休憩時間に2語3語と覚えることはできます。お風呂の中、自宅学習の途中気分転換に、予備校の休憩時間、待ち時間、細切れに時間を使えば良いのです。1語=1分で大丈夫でしょう。ということは5語=5分あれば良いのです。
そう考えれば、できるかな? と思うでしょう? はい、できるのです。やると決めればできるのです。やると決めないからできないのです。
努力しなくても良い
常々私が言うことです。
「別に努力しなくても良い、頑張らなくても良い」
1日5語覚える努力をすることを課している、と思うかもしれません。それ、努力じゃないです。日常です。日常生活の中に組み込むのです。つまり、当り前にしてしまうのです。
当り前のことは努力ではありません。ルーティンです。息を吸って吐くのと同じように、単語を覚えていくのです。
頑張らなくても良い
同様に、歯を食いしばって、寝る時間を削って……みたいな頑張りは不要です。隙間の時間を使って、やれば良いだけです。何と言っても、1日5分相当なわけですから。
「頑張らなくても良い、普通に解いて、診断テスト230点取れば良い」
これも私がよくいう言葉です。
テスト当日にどんなに気合を入れようとも、そこまでに実力が備わってきていなければ、そう簡単に点数が取れるものでありません。だから、テスト当日は別に頑張らなくても良いのです。今までやってきたことを当たり前にやれば良いのです。当たり前にいつも通り問題を解いて、いつも通りちょっとミスもしてしまって、それでも230点取れば良いのです。
当然、そこに到達する道のりも、当り前にすべきことを日常に組み込めばよいだけです。
一気は無理
大学受験に限らず、高校受験においても、受験までの日程が詰まってきたらやるべきことは多いです。応用問題的なことにも取り組まなければなりません。時間がないのです。
そんな時に、英語の長文が読めない、単語が分からない、と言って、英単語を覚えていきましょう!みたいな時間は取れないのです。絶対にやっておかなければならないのにやるべきではないのです。そういう大きな矛盾というかジレンマを抱えることになります。長期的な視野がない人間はこうなります。
受験を経験したことのない生徒にそれが分かるのか? ほとんどの子は分からないでしょう。だから、私がさせているわけです。1週間に30語という負荷をかけるわけです。負荷と言っても、先述した通り、そんなに大きなものではありません。日常に組み込めるレベルです。
今、英単語の例を出していますが、勉強って他も全部同じですよ。一気にはできないのです。いや、勉強だけじゃないですね。何でもそうです。一気に上達することなんか存在しませんよ。
だから親
真っ当な人間であれば、一気にできるようにならないことぐらいは分かるはずです。
真っ当な親であれば、我が子の学力を長期戦で上げることを考えるはずなのです。
そこを考えるのは親の役目じゃないですか。子供は分からないのですから。
当塾の高校生は上位校の生徒ばかりです。そういった子たちでも、いくら「大学受験で英単語の数は重要だから、早く覚えておきなさいよ」と言うだけでは、何も進歩がないのです。どうしても楽なことに流れてしまうからですね。つまり、今何が何でもやらなければならないことでなければ、やらずに済ませる、ということです。ましてや中学生ならもっとできません。導いていく必要があります。
親が子供の勉強の手伝いをするというのは、環境を整えるということです。英語の文法や数学の解法を教えることではありません。そんなの教えなくて良いのです。環境を整えれば、自分勝手にやって自分勝手に理解しますから。
自力で進められるようにするのか、外部の力、つまり学習塾などの力を借りるのか、それはその家庭その子の考え方次第です。何を選択するのが正解だというのはありませんが、将来を見て長期戦で取り組む環境を整えるというのは、間違いのないところです。
それは、親が考えなければならないでしょう。
当塾に通うようになったきっかけも、ほとんどは、親御さんが調べて、子供に提示して、子供が判断するという流れです。
たまに、子供自身が国語に困っていて自分で探して、希望してくるケースもあります。このケースの場合は、まず間違いなく、できるようになりますね。親が環境を整える前に、子供が自発的に環境を整えようとするほどですから。
元々頭が良いわけです。
大事なのはここ
さて、話は元に戻します。
コツコツと問題を解いたり、練習をしていったり、基礎事項を覚えていったり、それらが重要だということは分かると思います。
でも、大事なのは、「問題を解く」でもなく、「練習をする」でもなく、「覚えていく」でもないのです。
大事なのは、「コツコツと継続」です。これです。
この一番重要な部分をすっ飛ばして、問題を解くとか覚えていくことは成り立ちません。それらを実行するためには、まず「コツコツと続ける」「日常の中に組み込んで努力ではなくルーティンとして行う」ことが重要だと思います。
「コツコツと」というのは、抽象的で、目に見えません。だから、見落としがちになるのだと思います。でも、見落とさない人もいるのです。結果、強いのはそういう人です。
考えてみると当り前でしょう?
コツコツ塾
私自身は、別に頭が良いわけでもないし、天才的に何かできることがあるわけでもありません。私自身の受験の経験や今までの指導から言って、天才でないのなら、もう覚悟を決めて「コツコツと」やるしかないと思うのです。
成功する方法はそれしかないと思うのです。
だから、「英単語も1週間で30語覚えていこうね」、「国語の読解問題も1週間に3問4問ぐらいでも良いからずっと解き続けていこうね」、と主張しているわけです。
間違ってはいないはずです。
ただ、人の意見ですので、それに賛成か反対かは出てくると思います。別に構いません。賛成する人だけが集う塾であれば良いのです。