高松国語塾EQZ塾長です。
お子さんの将来を真剣に考える親御さんのために、僕も真剣に書いた記事です。
今の若い世代の将来に大変なことが起きているからです。
シンギュラリティ
大変なこととは何か?
コロナ?
あ、いや、そんなもんいずれ無くなります。そんなショボい話ではありません。
AIの話です。
既にAIという言葉をよく見かけるようになってずいぶん経ちますが、日々更に進化を続けているようでちょっと怖くなるんですよね。
シンギュラリティなんてまだ随分先だろうと思っていたのが、現実的に考えなくてはいけない段階になってきているのではないかと感じます。
僕が、今後の世界は昭和はおろか平成時代と一緒に考えてはいけないと主張するのは、インターネットももちろん重要な要素ですが、それにもましてこのAIの要素が絡むからです。
※シンギュラリティ(Singularity)とは、人工知能が人間の知能を超える時点や、それにより起こる社会や生活の変化を示す概念を指しています。2045年頃にシンギュラリティが起こるのではないかと言われていました。
スキルの再教育
とても印象に残っているニュースがあります。
■ヤフージャパンで、全社員をAIの活用を前提とした再教育を実施する
というニュースです。
日本を代表するIT企業です。ただでさえITスキルが高い人が集まっていることは容易に想像できます。そういった企業ですら、AIの活用に関しては大きな危機感を持っているということですよね。
だって、全社員を再教育するっていうのは多大なコストでもあるわけです。それを敢えてするということは、それだけのコストを抱えてでもしなければいけないことだということです。
「そういう会社ですら危機感がある」と前述しましたが、訳が分かっているからこそ感じる危機感だと考えたほうが良さそうですね。
「個の格差」も大きな問題になっていますが、それ以前に、「会社格差」「職場格差」というのも大きいかもしれません。
ヤフージャパンを代表とする、国内で先端を行くような企業の問題意識
未だに紙、ハンコの文化がなくならない昭和を引きずる企業での問題意識
ここには雲泥の差があるように感じます。
片方がハンコの角度を何度にするか議論している間に、片方はAI活用教育をしているということです。
怖い怖い。
というか死ぬほどバカバカしい。
「そっちの側」には混じりたくないな。
身の回りのAI
2022年の段階でもう様々な分野でAIが活用されています。
・工業製品における品質チェックや在庫の確認
・農業における品質チェックや農薬散布
・漁業における給餌の自動化や漁獲量予測
・金融業におけるクレジットカードの不正利用チェックや株価予想
・不動産業における価格判断
・小売業における販売予測や無人レジ
・医療における画像診断や介護ロボット
・建設業における点検の自動化や空洞探知
等々。
一般消費者の目の前にドーンと表れているものが少ないので、実感が薄いかもしれませんが、着実にAIの技術は浸透してきています。
たくさん事例紹介のサイトはあるのでぜひ確認してみてください。
要約AI
AIの研究をしている東大の教授で松尾豊先生という方がいらっしゃいます。(ちなみに香川県出身です)
松尾先生が発表されたAI活用技術として、文章の要約があります。
長らく、AIは文章の意味は理解できないと言われていました。理解できているか否かにかかわらず、要約はできるようになっている、ということなのだろうと思います。
文章の要約ができるってすごくないですか?
既にデモサイトが公開されていてお試しで要約ができます。
興味がある方はぜひやってみてください。
どの程度正確なのかは、
ITmedianewsさんが検証してくださっています。人間との比較検証です。
ざっくり言うと、『正確性においては人間とAIは五分五分。ただ、文法の正しさ等の流暢性はまだ人間の方が上手』という判断です。
つまり、自然な文章を創り上げるのはまだ人間の方が上、ということなんですが・・・正確性は五分五分って・・・笑
2022年の段階でこれですよ? AIがもっと進化するのは間違いないのです。となると・・・
試しにやってみた
こういうのを見るとやりたくなるわけです。というわけで僕も早速、AI要約を試してみました。
1回目…文章が短すぎて要約できない、と叱られました・・・笑
2回目、改めて文章入力して実行。自分のブログの文章「親としてすべきこと」を使用しました。以下の文です。
僕としては別に大胆な提案というつもりでもないのですが、しょーもない塾に通うぐらいなら、習い事も何もない日を週に2日ぐらいは作って、親子で過ごす時間を持つのも良いんじゃないの?と思うわけです。 何をして過ごすのか?
そりゃ、「家庭・学校・習い事・塾・友達との遊び」以外の世界に出かけることです。
身の回り以外の世界を知るために時間は使うのです。
ちょっとした冒険なんかも良いですし、単に海や山に行って遊ぶのでも良いです。特別な場所、名のある場所でなくても、今まで行ったことがないところに出かけるのも素晴らしいと思います。新たな体験を積むのももちろん素晴らしいことです。 陸上競技場、野球場、サッカー競技場、テニスコート場等々。
電車に乗って知らない駅で降りてその辺を散歩する。博物館、美術館や体験ができるところ。
ダム、港、空港、高いビル、神社、お寺等々行ったことがないところ。
単にあぜ道や畑道などを歩く、整備された登山道をのぼる。景色の良いところ。他の小中学校、高校、大学など。
一緒に買い物に行く、一緒に何か料理をする。
そして、どうしてもリアルで体験できないことは、書籍、インターネットの動画などを活用して疑似体験をする。つまり、未知を既知に変える、ための行動です。
さて、AI要約の結果はどうか?
習い事も何もない日を週に2日ぐらいは作って、親子で過ごす時間を持つ。身の回り以外の世界を知るために時間を使う。陸上競技場、野球場、サッカー競技場、テニスコート場などに出かける。習い事も何もない日を週に2日ぐらいは作って、親子で過ごす時間を持つ。身の回り以外の世界を知るために時間を使う。陸上競技場、野球場、サッカー競技場、テニスコート場などに出かける。
だそうです。
要約、できているじゃないですか。
僕としては最後の「未知を既知に変える」は入れてほしかったですけどね。また、一つ一つの具体例を列挙するよりは、それらをまとめた語を使う、つまり抽象化してほしかったのですけどね。まあ悪くはないかな、というレベル。
というか、何割かの人間より上手いですよね?
EQZに通っている子たちは、AI要約よりもっと上手に作るだろうという確信があります。でも、読解ができない、文章が書けないレベルの子は、多分、AI以下です。
ここですよね。大事なのは。
何割かの人間はAI以下になる。
文意は理解できないと言われたAIが、要約は現時点でこのレベルまで来ているわけです。AIが苦手とする分野ですらそうなんですよ。
これから、AIが得意とする分野を始めとしてどんどんAIの進出があることと思います。
一般消費者としては、便利になることも多く望ましい状態とも言えます。しかしその一方で、人間がやっていた仕事が奪われるという側面もあります。
すでになくなった仕事も数多くありますよね。また、インターネットの活用、そして、AIの活用で今後無くなるだろうと言われている仕事もあります。
これもたくさん事例紹介はありますので確認していただきたいと思います。
だから「個」
だからこそ「個」の力を高める必要があると思うわけです。
AIにはできない仕事ができる人間になるために、いかに自分の力を高めていくのかが最重要課題です。ぼーっとしていると、AI以下の人間になってしまうわけですから。
なくなった仕事の一部は言ってみれば、インターネット以下、AI以下だったとも言えるわけです。
AI導入コスト、ランニングコストが安くなってくれば、どんどん置き換わってきますよ。だから今は、AIができる仕事をやっているのは単に人間の方が安いからね。
怖い怖い。
果たして、ハンコのお辞儀角度の判断は、人間にしかできない仕事なのだろうか? と心配になります。
先を見据えるのに過去を振り返るのは逆説的ではありますが、大昔から大事にされている「読み書きそろばん」の力をつける。これがまず第一。やっぱり基礎学力としては必要なわけです。どんな時代になっても。「読めない子は何もできない」ですから。
そして、その学力をベースに、幅広い好奇心を持つ視野の広い子にする、ということです。
少なくても僕はそう考えています。
また、僕ができるのはそこまででしょう。基礎学力をつけてあげることと、きっかけを与えてあげることです。
「個」の力が高ければ、偏差値レベルで高い学校に進学できるのは事実だけど、「そこ」に進学することが重要なのではなく、「個の力」をつけた結果、「そこ」に進学できる、という考えです。
我が子に合っているか否か、能力的に合致しているか否か、等も考えることなく、有名校の名前をあげて「うちは〇〇高校にしか行きません」と宣うお母様の姿は、明治時代に没落していった旧華族を思い起こさせるんですよね。
はい、時代に流されない確固たる信念をお持ちということで、もちろん尊敬の念をもっているわけです。というのが本音かどうかはこの文脈から判断してくださいな。
保護者説明会「国語の危機を救う具体策」2022年3月13日(日)13:30~15:30
全てのベースになる読解力を高めるためのヒントをお伝えします。お子さんの将来を真剣に考える親御さん限定の説明会です。