Line-ltd 2021.01 共通テスト英語

2021年1月実施の第1回共通テスト、英語に関しての所見です。英語は大きく分けて、リーディングとリスニングの2つに分かれます。

まずリーディング=読解に関して。

各予備校の分析を見ていると次のようなことが分かります。

・設問数自体は減少した
・発音アクセントの問題、文法問題が無くなり、全て長文読解になった
・長文の題材は、身近な話題が多く出題された
・単語総数が大幅に増えた

ということです。以下、項目ごとに少し説明します。

設問数の減少と文法問題

「発音アクセントの問題、文法問題が無くなった」わけですので、当然、全体の設問数は減ります。

共通テストに関して言いますと、重箱の隅をつつくような細かい文法問題への対応よりは、長文を速く正しく読むことの方が重要ではないかと感じます。

元々、私は共通テスト以前から「文法は大体分かれば良い。それよりは単語をたくさん覚えて速く正確に読みなさい」という方針をとっている方でした。その方向性は間違っていないかと思います。

長文読解が多少できなくても、文法問題で点数を稼ぐということはできなくなりました。文法問題自体がないわけですので。

身近な話題

共通テストの方針として「身近な題材を出す」という点がありました。国語ではそこまでのものは感じませんでしたが、英語の方では、この方針に基づいて出題されたようです。

例えば、「ショートメールのやり取り」「ファンクラブの案内文」「旅行代理店のウェブサイト」等。また、「プレゼンテーションコンテストに参加するための説明」「スポーツにおける安全性」「甘味料の栄養素」といった説明的文章も出題されました。

また複線型=図、絵、グラフ等の資料があちらこちらに出てきて、その中から必要な情報を取り出してくる、という形式も、国語ではあまり見られませんでしたが、英語ではその形式だったようです。

国語では当然、読解力は要求されますが、英語でも、このような状況から考えると、何が必要で何が不要な資料なのかを判断する力は欠かせない要素だと思います。

単語数の増加

単語数は大幅に増えました。

センター試験時代は約4300語だったものが、第1回共通テストでは5500語にまで増加しました。

受験生からも高校の先生からも予備校関係者からも「分量が多い」という指摘が相次いでおります。1200語も増えたのですから当然でしょう。

以上の状況から考えて、語彙力の重要性は揺るぎません。「単語を知らない子は何もできない」状態です。

リスニングは難しくなっています。侮れません。というか大変です。

次のような特徴がありました。

・問題数の増加
・社会的な話題の聞き取り
・大問6問中、4問は1回読み
・イラスト、グラフ、表等の資料読み取り増加
・単語数が大幅に増加

重要事項を少し解説します。

社会的な話題

リーディングの長文も同様ですが、リスニングでも身近な話題、社会的な話題、が題材として出題されました。

リスニングでは「幸福感」に関する講義内容を聞いて答える問題も出ました。読むだけでなく、聞く上でも抽象的な概念が必要になってくるということですね。

もはや、英語の長文の題材は、留学生が来たとか、どこかに旅行に行ったとか、街中で外国の人に話しかけられたというレベルではないのです。

既に高校受験の世界でもそうなっています。題材がSDGSだったりAIだったり。世の中を知らない子は、読んでわかる、聞いて分かる以前に、題材自体が分からない事態になっています。

1回読み

今まで受験の世界でリスニング問題というのは2回読みが標準でした。それが共通テストでは1回読みになりました。この厳しさは、受験や資格試験でリスニングを経験した方ならお分かりかと思います。

1回読みはきついですよね?

1回目聞き取れなかったところを重点的に2回目に聞いてみよう、ということができません。一発で聞き取らなくてはならないのです。

相当な聞き取り能力、集中力が求められます。

もちろん、慌てて練習したところでどうにもなりません。

単語数

リスニングでも単語の増加がありました。センター試験時代の1100語から1500語に増えたようです。とんでもない増え方ですね。

リーディングでもリスニングでも、単語の増加傾向があり、概ねこの方針でいくのだろうと思われます。

単語を一つずつ一つずつ積み上げていく習慣がより重要ですね。それを下支えするのは、小学校中学校で習う単語です。ここで抜けがあると後々響いてきますので。

第1回共通テストが行われたことで、色々なことが判明してきました。

■ 語彙力が少ないと読めない。

■ 抽象語が分からないと読めない。

■ 読むスピードが鈍いと間に合わない。

■ 英語が聞き取れないと解けない。

■ 社会的知識=身の回りの出来事やニュースに関する知識がないと、そもそも土俵に立てない。

このあたりは、間違いのないところだろうと思います。

そして、もう一つ間違いなく言えるのは、「読解力をつけておくことは必須」ということです。それがベースでもあります。極端なことを言えば、読解力があれば国語の受験勉強はしなくても済みます。既に「読める」のですから対策は必要ありません。

今後、何が出るのか分かりません。だからこそ読解力が必要だと思いませんか?

私が国語塾の先生だからそういうのではありません。高校の先生、予備校の先生他受験に携わっている人なら誰しも感じていることです。ウエブ上で検索すると、そういった主張をしている多くの意見が見つかると思います。

 

また、試行テスト(練習版)の段階からそうでしたが、「世の中に対して広い視野があり、速く正確に読める子」が求められているのはもう明らかです。

 

このような共通テストの問題を見て、私も確信を持ったから、この「教養読書の会」というのもでき上ってきたわけです。