大学受験実例
「今どきの大学受験」を語るのに良い事例がありますのでご紹介したいと思います。
「学力を高める」という受験の本質はもちろん変わりませんが、より効果的に、受験を進めるための戦略が違ってきています。
戦略とは「戦い方」です。
その点に関しては、親御さんの世代とはかなり違っている面もあるのではないかと思います。
そういった意味での「今どきの」大学受験という意味です。
絞り込み
ある女生徒さん、Aさんとします。
私立大学文系に進学先を絞りました。
そして、一般入試で勝負することにしました。
まず、この絞り込みは重要です。それが土台になります。
私立大文系だと、受験科目は、原則、英語・国語・社会になります。
この3科目の学力を徹底的に上げていく必要があります。科目が少ない分、更に、私立大の難関校であれば、より高い学力が求められます。
ここまでは、皆さんも違和感ないと思います。
英語が消える
私立大文系に絞り込んだAさん、英語・国語・社会の学力を高めていくわけですが、実際の入試では、彼女は英語は受けません。
ここ、大事なところです。
英語の入試は受けないのです。
受けなくて良いのです。
なぜか?
英検準1級を取得していたからです。
全ての大学というわけではありませんが、多くの大学では英語の資格試験を優遇してくれます。
英検準1級あれば、入試の英語の点数は〇点換算してくれる大学もあります。
分かりますか?
英語の入試は受けなくても、点数が確約されているのです。
つまり、英検準1級を取得した時点で、彼女の英語の入試は終わっているのです。
最強ではありませんか?
受験期、英語の勉強は大変ですよ。それが無くなるのです。
残りの国語と社会に集中すればよいのです。
これが最強でなくて何でしょうか?
国語が消える
というわけで、入試科目から英語が消えたAさんは、残りの国語と社会に全力を尽くします。
ところが・・・
彼女は、国語力あるのです。
読解力があるのです。
「読めばできる」のです。
どんな文章、どんな問題が出ても「読めば分かる」のです。
だから、勉強する必要がありません。
読解力を落とさないために、定期的に練習はしますが、それは「どうやって読解力をあげようか」「何としても読解力を上げなければ」という次元ではありません。読解力を維持するだけの話です。
当然、国語の勉強に対する時間は最小限で済みます。
つまり、入試科目で国語はあるけど、そのための勉強時間が消えるのです。
これまた最強ですよね?
社会だけが残った
入試科目から英語が消えました。
国語の勉強時間が消えました。
となると、Aさんがすべきことは何でしょう?
はい、もちろん社会の勉強です。
社会だけです。
本来は3科目ある入試科目が1科目になったわけです。
中学、高校、大学受験等々、受験を経験した方なら、入試科目が減る、勉強しなくても点数が取れる、という状態がいかに有利なのか、お分かりだと思います。
時間が味方
そんなわけで、Aさんは無事に、難関と言われる大学に進学することができました。
ポイントは何でしょう?
ざっくり言うと
・狙いを絞り込んだこと
・今どきの入試制度をうまく活用できたこと
・英検準1級を取得していたこと
・国語が安定してできること
です。
そして、下の二つを一つに集約すると
・読解力があること
です。
結局、ここなんですよね。
当然、お分かりだと思いますが、一朝一夕に出来上がった読解力ではありません。何年も何年も地道に積み重ねてきた結果です。
Aさんが賢かった点は何でしょう?
国語力とか英語力(他の科目もそうですが)というのは、すぐにはできるようにならない。だから時間を味方にする。
つまり長い年月をかけて地道に力をつけていくべきだ。
という発想ができたことです。
制度の移り変わり
英検を取っていればそれを入試の点数に換算してくれる。
或いは、出願の時点で英検の資格が必要である。
等々、入試の形態は随分変わってきています。
ただ、
英語力重視、読解力重視という方針は、共通テストに代わってからも顕著であり、各私立大学もその方向性で動いています。
というか、はっきり言って、加速しています。
何度何度も言っているじゃないですか。
「文意が読み取れない子」は、何もできない状況になってきているのです。
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