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Line-ltd 2020.02 大学の囲い込み

今、私立大学で起こっていることです。

定員の厳格化」です。

要は、定められた定数以上に生徒をとりすぎるな、というお達しが文部科学省から出ているわけなんですね。こちらの記事に詳しくデータも出ています。

■入試の「定員厳格化」で大学側が悲鳴

国公立大は合格すればほとんどの人が入学という前提ですが、私立大はそうではありません。ですので、今までは定員以上に合格者を出していたわけですが、それが行き過ぎていた、ということもあるのかもしれません。

どんな影響があるか?

今まで受かっていたレベルの子でも続々と不合格者が出ているということです。滑り止めのつもりで受けていたのに全然滑り止めにならない、ということです。

その結果、本意ではない大学に進学したり、或いは、浪人したりする生徒が増えているということになります。実際、予備校の生徒が増えているようです。

■「A判定」でも不合格 増える浪人生、入学断る予備校も

今後もこの定員の厳格化は続く見込みです。ということは、現役の生徒は大量の浪人生と勝負をしなければいけないということになりますね。

益々、合格が困難になることが予想されます。

2020年より大学入試の改革が始まります。現在の高校2年生からです。高校3年生までは現行制度、つまりセンター試験を受けるわけですが、安心していたらこんなところに落とし穴がありました。※学年表記は2019年度時点

私立大が難化している、ということであり、その傾向はまだ続きます。すると、どのような影響があるのか?

もちろん、私立大学の難化ですよね。既に始まっていますし、今後もその傾向は続きます。現役生は浪人生と入試を争うことになります。多くの場合、浪人生が強いですよ。そりゃ1年間大学入試のためだけに時間を費やしてきているわけですからね。

その結果、滑り止めが滑り止めにならないことになります。そして、浪人を選択するという可能性も高まります。

浪人が悪いとは全く思っていません。私自身も浪人しましたが、大いに意義のある1年でした。どのように時間を使うのかはそれぞれによります。有意義に使おうと思えば十分使えます。ですので、浪人するのであればそれはそれでヨシと思っています。
1年遅れることなんか、長い人生、何も影響ありませんって。

ただ、大事なのは覚悟ですよね。

1年間学習漬けの生活を送る覚悟、何としても1年後に志望校に合格するだけの学力をつける覚悟、挫けずにやり通す覚悟などが必要になってくることと思います。

また、現在の高校2年生は、現役時には上の世代の浪人生との争いがあり、浪人すれば、今度は、新しい大学入試制度との闘いがあります。それも含めての覚悟が必要でしょう。


少子化の影響で、10年ほど前から大学が囲い込みが本格化し始めています。囲い込み」言い換えると「青田買い」といっても良いでしょう。

要は、自校の定員枠を確保するために早期から、ある程度の人数を確保しよう、しかも、できれば優秀な子を確保しよう、という目論見です。

具体的には何をするか?

附属高校の新設
 全く新しく一から作る場合もありますし、既存の私立高校が、ある大学の附属高校として生まれ変わることもあります。

系列化、提携化、系属化
 学校によって呼び方が異なっていますが、要は、私立高校と私立大学が提携を結ぶ、つまり、一定の推薦枠を確保するということです。

専門コース
 有名大学に進学することを目標としたコース設定、クラス設定を私立高校側が行います。当然、その該当の私立大学への推薦枠が確保されています。

こういった方法で、私立大学側は、一定の人数を確保します。私立高校側からの成績提供は当然あるわけですので、生徒の一定の学力は保証されていることでしょう。

そうすると、どうなるのか?

一般入試で合格にする生徒を絞り込むことができます。受験生側からすると、受かりにくくなるということです。

大学の定員厳格化と合わせて、私立大学が合格しにくくなる背景には、このような事情があります。